脳卒中の方でヘルプマーク・カードを持っている方も増えてきた印象があります。
しかし、全国的に周知されているかと言われたら、周知されていないことが現状で、医療従事者でも知らない方は多くいます。
周知されていないことで、最近ではこのようなニュースも出ています。
今回は、脳卒中当事者の方だけでなく、援助や介助、配慮が必要な方にとってそれを知らせる役割を持つヘルプマーク・ヘルプカードについて考えていきます。
ヘルプマーク・カードとは?
ヘルプマーク・カードは、東京都が考案し、全国で普及が進められているものです。令和3年10月31日の時点で全ての都道府県で導入されています。
ヘルプマークは、援助や配慮が必要としている方々が、周囲の方が配慮を必要としていることが知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。
東京都福祉保健局 HPより引用

ヘルプマーク・カードの対象者
ヘルプマークの対象者は以下の表のように、援助や配慮は必要としている方々になります。
- 義足を着用されている方
- 人工関節手術を受けている方
- 脳卒中当事者
- 内部障害を持ってる方
- 難病の方
- 妊娠初期の方 など
どこでもらえるの?
■東京都の場合
公共交通機関や病院、役所などさまざまな場所で受け取ることができます。
- 都営地下鉄
- 都営バス
- 都電荒川線
- 日暮里・舎人ライナー
- ゆりかもめ
- 多摩モノレール
- 都事業所
- 都立病院
- 公益財団法人東京都保健医療公社の病院
□島根県の場合
市役所福祉推進課、各行政センター市民センター課窓口で申請して、その場で交付してもらう。もしくは、申請書をダウンロードし、メールまたはファックスあるいは郵送で申請も可能です。
各県の交付場所場所についてはこちらのサイトに詳細が載っているのでご覧ください。
ヘルプマークを身に着けた方を見かけたら
- 電車やバスの中で席をお譲りください。
- 駅や商業施設等で、声をかけるなどの配慮をお願いします。
- 災害時は、安全に避難するための支援をお願いします。
外見には見えにくくても、疲れやすかったり、バランスを急に崩されたりなど困難になることがあり、電車やバス、駅や商業施設での配慮や声かけができるようにする。また視覚障害者や聴覚障害者などの状況把握が難しい方もいるため、災害時など急を要する場合に配慮できるようにする。
ヘルプマークの普及状況
ヘルプマークの普及状況として、令和3年10月31日付けの調査で、1都1道2府43県で普及しているようです。昨年やっと全国で導入されていると言った状況になります。
ヘルプマークの普及状況の詳細についてはこちらを参照してください。
ヘルプマークは行政や医療従事者にもあまり周知されていない
ヘルプマークを身につけていることで、援助してもらいたい時に援助してもらいやすくなります。
しかし、そもそもヘルプマークが認知されて状況で、身につけていても援助や配慮をしてもらえず、駅やバスなどの公共交通機関やショッピングセンターなど社会に出て、気づかれずに困っている方はたくさんおられます。
当事者の方が「助けてください」「気を遣ってください」と声を上げればいいだけという方もいるかもしれませんが、そんなことができる人はほんの一握りです。
周囲の人から率先して援助や配慮ができる社会になるためには、地域の方に周知してもらうことが一番なんです。
ですが、現実問題として行政職員や医療従事者においてもヘルプマークの存在を知らない方がたくさんいます。
山口県萩市の現状

今年の9月に山口県萩市の市議会議員である小林富さんをお招きし、オンライン脳卒中当事者会の特別企画を開催した時の話です。
脳卒中当事者の方からの事前質問で「ヘルプマーク・カードについて行政や医療従事者の方はご存じですか?」という質問がありました。
小林議員は行政職員や医療従事者の方にヒアリングをして聞いたところ、萩市では年間60人の方が申請しているにも関わらず、行政の職員も「言葉は知っているも内容までは把握していない」ことや、病院に勤めている「医療従事者の方も存在自体知らなかった」との返答があったと報告していただきました。
このような結果からもまずは周知していくことから始めることが大切だと改めて感じました。
私が住んでいる島根県においても全ての医療従事者や行政の方が知っているとは言えず、まだまだ知らない方もたくさんいるのが現状だと思います。
まとめ
ヘルプマークについて、現在ニュースで取り上げられていますが、初めて知ったという方も中にはいるんじゃないかと思います。
ニュースについて良い悪いと言及するつもりはありませんが、今まで知らなかった方へ知ってもらう機会にはなったのではないかと考えています。
ヘルプマークは必要としている方だけ知っていて成立するものではなく、地域に住んでいる方も知っているからこそ「助け合い」のきっかけになるものだと思います。
これから社会に出ると見る機会が増えた時に、助け合いのきっかけになれば当事者の方だけでなく全ての地域で暮らす方が住みやすい社会になるんじゃないかと思っています。
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