疲労に重要な【セルフモニタリング】

セルフマネジメント脳梗塞 リハビリ

脳卒中後の疲労は「肉体的または精神的活動中に発生し、通常は休息によって改善されない、倦怠感、エネルギー不足、および努力への嫌悪感を伴う初期の疲労感」として説明されています。

Post-Stroke Fatigue:Epidemilology,Clonical Characteristics and Treatment

このように休憩だけでは改善されない初期の疲労感も含まれていると報告もされています。

疲れている女性
疲れている女性

今日はなんか体がだるく疲れています。リハビリできるかわかりません・・・

このように”疲労”を訴えている方に対して

セラピスト
セラピスト

疲れているようなので今日はリハビリ休憩しましょう

身体的な疲れであれば、休憩でいいかもしれませんが休憩することを第一選択するのは間違っている可能性があります。

脳卒中後の疲労については、セルフマネジメントが重要と言われています。

今回の脳リハ記事では脳卒中後の疲れやすさについてと、有効だと言われているセルフマネジメントについて解説していきます。

脳卒中後の疲労について

『脳卒中後に疲れやすくなった』と感じたことがある方は多くおられます。

脳卒中発症後、約半数(約30〜80%でばらつきはあるが)の方が脳卒中後の疲労を感じています。

脳卒中後の疲労は非常によくある「困った」症状になります。

※脳卒中後の疲労についての概要は以下の記事でまとめています。

脳卒中後の疲労の自然経過

脳卒中後の疲労は大きく3つに分けられます。

  1. 初期疲労
  2. 晩期疲労
  3. 持続性疲労

初期疲労は脳卒中発症後すぐに起こる疲労の事を言い、多くの方に共通する疲労です。初期疲労後3分の1の方は疲労は改善しています。

初期疲労の3分の2の方が晩期疲労を伴います。晩期疲労は発症から1年以降続く疲労になり、「なんか疲れるな〜」「息苦しいな〜」といった症状になります。

持続性疲労は、晩期疲労と線引きが難しいが晩期疲労の症状が持続的に続くことでうつ症状睡眠障害などの病的な症状にまで発展する可能性があります。

脳卒中後の疲労については、「持続性疲労」が問題

脳卒中後の疲労の発生要因

  • 脳卒中による「炎症反応」「解剖生理学的変化」
  • 個人がもともと持っている特 「性別」「既存疾患」など
  • 身体的要因 「身体機能障害」
  • 心理的要因 「うつ」「不安」
  • 行動要因 「身体活動量の低下」「休息の不足」
  • 社会的要因 「社会や家族での役割の減少」「支援の不足」
  • 環境要因 「生活環境の変化」

脳卒中そのものに加えて、身体・心理・社会・行動・環境要因などが関連する。対処が可能な要因も多い

脳卒中後の疲労の影響

持続性疲労により起こる心身への影響

  • 「日常生活の自立度」の低下
  • 「生活の質」の低下
  • 「うつ」の発症リスクが上昇

持続的な疲労は「体」「心」「生活」に悪影響をきたす。

疲労に対処することは非常に重要になる。

脳卒中後の疲労への対処方法

疲労に対して休養をとることは重要です。

しかし、単に疲れたら『休む』『横になる』といった受動的対処行動は根本的に解決策にはなりません

疲労に対して、解決できる問題として捉えて計画的に対処する能動的対処行動をする必要があります。

脳卒中後の疲労には計画的に対処する必要がある

疲労に対しての具体的な対処方法

脳卒中後の疲労の改善効果が報告されている療法として以下があります。

  • 認知行動療法
  • マインドフルネス
  • 段階的活動トレーニング
  • 教育   など

米国心臓協会ガイドラインでの推奨事項

  1. 座ってばかりのライフスタイルにならない
  2. 定期的な運動(特に有酸素運動)、段階的な活動量の増加
  3. 脳卒中後の疲労に関する知識を身につける
  4. 認知行動療法やマインドフルネスを行う

適度な身体活動や教育などが推奨されている。

疲労に対するセルフマネジメントプログラム

脳卒中後の疲労について上記でライフスタイルや教育が重要だと言われており、セルフマネジメントはとても重要です。

①問題解決プロセスの促進
⇨脳卒中後の疲労へ積極的・計画的な対処をすること

②セルフモニタリング
⇨ご自身の健康状態や行動を「自覚」し、「測定・観察・記録」をおこなう。
(毎回疲労のレベルを測定や観察して記録すること)

セルフモニタリングで推奨される行動

  • 活動と休息バランスを保つ
  • エネルギーの消耗を抑え、生活機能を最適化する
  • 生活環境の調整
  • 脳卒中後の疲労に対する承認・理解
  • 医療従事者の支援を受ける

健康管理の主体は自分自身
自己管理が大切‼︎

まとめ

いかがでしたか。

脳卒中後の疲労についてもちろん休息も大切ですが、健康管理の主体は自分自身であるため、「どんな時に疲労が出るのか?」「なんで疲れやすいのか?」を知る必要があります。

また、疲れたら休憩する・横になるといった一般的な疲労に対しての認識を変えないと解決できないままな持続的な疲労に悩まされる可能性がありますね。

「脳卒中後に疲れやすくなった」と悩んでいる方にとって解決のきっかけになれば幸いです。

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